子宮内膜症を自然療法の力で治そうと奮闘していた20代半ば、自分のメンタルに向き合って生きづらさを解消しようと試みていました。
子宮内膜症のある人にとって、ストレスを溜めずに前向きに物事をとらえることも重要であると聞いていたからです。
その取り組みは5年以上に渡り、昔は自信がなくて傷つきやすく、慢性的に生きづらさを抱えていたのが、今ではあまり周りの目を気にすることなく自由な心持ちで快適に過ごせるようになりました。
メンタル面での改善は、ストレス処理に必死になっていた身体が正常に機能し、チョコレート嚢胞の縮小や妊娠しやさにつながったのではないかと思っています。
この記事では、私がじっくり取り組んできたメンタル改善の取り組みをお伝えします。
メンタル改善をしようと思ったきっかけ 愛着障害を克服したい
きっかけは、岡田尊司さんの『愛着障害の克服 「愛着アプローチ」で、人は変われる』という本を読んだことでした。
「愛着障害」とは、人とうまく関係を作れず、情緒面の不安定さや自己肯定感の低さなどが現れる状態のことです。
それまで、「愛着障害」とは虐待などを受けた特殊な人たちがなるものと思っていたのですが、日本人の3人に1人程度は何かしらの愛着障害に当てはまるということを知りました。愛着障害にはいくつかのタイプがあり、たとえ頑張って社会生活を送っていたとしても、対人関係の躓きやすさ、傷つきやすさ、生きづらさなどを抱えている人は、不安定な愛着タイプを持っているのだそうです。自分も例外ではないと思いました。
不安定な愛着タイプの人は、心身の病気になりやすいとされます。
メンタル改善が生きやすさと子宮内膜症の克服両方につながると思い、長い間努力してきました。
過去の寂しさと向き合う
私は昔から威圧的な人が大の苦手でした。
どうしてだろうと考えたときに、私の母親がヒステリー気味だったことが考えられました。
私の両親は共働きで忙しく、平日は家庭に切羽詰まった雰囲気が流れていました(当時はフルタイム共働きは珍しかったのです)。
幼い私が空気を読めずに母親が望んでいないことをすると、ヒステリックに怒られました。
平日はほとんど親と遊んでもらえず、寂しい思いをしながら日々過ごしていました。
これらの心のしこりは大きくなってからも私を苦しめていたのでした。
そこで、「育ち直し」をしようと、もう一度母親に甘えてみようと思ったのです。
恥ずかしくてとても勇気のいることでしたが、母親に愛されたいことを伝え、「大好き」と言ってスキンシップをしてもらいました。
自分がうまく娘を愛せていなかったばつの悪さで、母親は気まずそうな表情をしていましたが、私の求めに応じてくれました。
これは私のメンタルが変わるきっかけになりました。
実際に、以前より心が満たされる感じがして、心の中のわだかまりが少し溶けていきました。
不安定な愛着を克服するには、誰かに安全基地になってもらうことが必要なのです。
過去の様々なトラウマとの決別
母親との関係が以前より良くなったところで、夫(この時はまだ彼氏)と結婚を見据えて同棲することになりました。
以前よりは情緒は安定していましたが、相変わらず愛着の不安定さは残っていました。
不安定な愛着を克服しようとする努力は、その後もずっと続けました。
自分が傷付いた経験をノートに書きだし、それが起こったのは自分のせいではないと、再解釈を試みました。幼い子を慰めるように、自分をいたわる言葉もノートに書きました。ノートに自分の思いを整理し、自分で自分を思いやる時間はとても良いセラピーでした。
過去に自分を傷付けた相手が目の前にいると想定して、架空の相手に向かって言い返したりもしました。これはとてもすっきりし、過去の出来事に「勝った」気がしたものでした。
夫にも協力してもらい、頭をなでてもらったり、肯定的な言葉をかけてもらったりして、安全基地になってもらいました。今思うとこのような重い要求によく嫌な顔一つせず応えてくれたな、と思います。不安定な愛着を克服できたのは、夫の存在がとても大きいです。
このような努力を半年ほど続けて、だんだんと私の情緒は安定していきました。
愛着障害の程度によりますが、私の場合は1回誰かに安全基地になってスキンシップをしてもらって終わり、1回過去の嫌な出来事と向き合って終わり、というように単純な解決にはなりませんでした。何度も過去の辛い経験と向き合い、自分の気持ちを見つめ、前向きな再解釈を試み、何度も安全基地となる人に支えてもらう必要がありました。とても根気のいる作業で、なんですぐに解決しないんだろうと悶々としたこともありました。それに、過去の傷付いた経験に思いを馳せることは、単純に苦しいです。
でもそれを積み重ねると、確実に世界は変わっていきます。毎日のように自分と向き合ったことで、私は以前より自分を肯定的に捉えられるようになりました。
完全に安定型の愛着になったわけではなかったですが、愛着を修復しようと試みてから1年程で、イライラが減り、以前より完璧に物事をこなさなければと思わなくなりました。自分に少しずつ自信がもてるようになってきました。
その後の経過
ある程度情緒が落ち着いてきたので、徐々に嫌な出来事があったらノートに書きだして自分の思いを整理してみる、という方法に変えました。もやもやすることがあっても、ノートに書きだすと前向きな言葉が自然とおりてきました。
それを数年間は続けたでしょうか。
私のメンタルは時間をかけて安定していき、植物療法、鍼治療、骨盤矯正、運動など、体質改善のために行った様々なセルフケアとの相乗効果で、確実に良くなりました。
私の心に余裕が生まれたからでしょう。30代半ば、体外授精を経て念願の赤ちゃんがお腹にやってきました。この時チョコレート嚢胞は2cm以下、腹痛や生理の重さなどの症状はなくなっていました。
まとめ
愛着の不安定さは現代人の多くが抱える問題で、心身の様々な病気と関わっています。
子宮内膜症などの婦人科系疾患もストレスなどメンタルの影響を受けているでしょう。
愛着の問題を解決するには大変な労力がいりましたが、その効果は計り知れない程絶大でした。
自分のメンタルと向き合うことは、お金がかからずできることですが、私の場合は植物療法や運動など身体面での取り組みと合わせることで、より効果的に改善できました。心も身体もどちらもケアすることで相乗効果を得られます。
愛着を安定させ、メンタル改善を図ることは、健やかに生きていく土台になっていくと思います。
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