アレルギー体質改善や子宮内膜症を克服して妊娠するのを目的に、必死に健康情報を集めて栄養療法や朝食断食を行ったもののうまく効果が出ず、半ば途方に暮れていた30歳を過ぎた頃。
書店で、鈴木七重先生の書かれた『ゆるめる・温める・巡らせる』という本を見つけました。
ハーブや精油を使ったセルフケア(=植物療法)について書かれた本で、美しい表紙の写真と、優しい文体に惹かれて購入しました。
これが私が植物療法(フィトセラピー)と出会ったきっかけであり、その後の生活の大きな転換点になりました。
植物療法は、日々頑張っている現代人にとても大きな癒しと健康を与えてくれます。
今回の記事では、植物療法の内容や効果についてお伝えします。
最初の実践 本を手掛かりにセルフケアを始める
鈴木七重先生の著書には、アレルギーや婦人科系など目的別のハーブティーの紹介、精油を用いたマッサージオイルの作り方など、簡単に取り入れられるセルフケアがたくさん載っていました。
さっそく、アレルギー対策にルイボス、ネトル、エルダーフラワーのドライハーブを買って毎日ブレンドして飲みました。
ホホバオイルにカモミールとラベンダーの精油を混ぜて、かゆみ肌対策オイルを作りました。
カモミール、ラベンダー、ゼラニウムなどの「ゆるめる」効果の強い精油を、その日の気分に合わせて5滴まで湯船に入れ、香りを楽しみました。
20代の半ばに子宮内膜症対策を自分で始めた頃、ハーブにも精油にも親しんでいたので、本を手掛かりに気軽にセルフケアを始めることができました。
講座を受講して本格的に植物療法を学ぶ
ハーブティーや精油のリラックス効果に魅せられ、もっと植物療法を学びたい気持ちが出てきた私は、東京に植物療法を本格的に学べる場があることを知りました。
「日本フィトセラピー協会」が主催しているもので、本校は自由が丘にありますが、私は「Phytolab Tokyo」という個人の先生が運営している教室に通うことにしました。
場所的な通いやすさと、少人数の教室でアットホームに学べるかなと思ったからです。
講座の内容はどこの教室で学んでも同じです。
日にちが合う講座を予約し、行ってみると、うっとりするような美しいドライハーブが並べられ、精油の瓶もたくさん。
講師の先生の明るく温かみのある話を聞きながら、座学での勉強とハーブ・精油を用いた実践を重ねるうち、心地よく心身がゆるんでいきました。
なんて素敵な時間なんだ・・・!
心からそう思い、講座に参加できたことが嬉しくなりました。
私はもともと真面目な性格で、私生活でも健康になろうと頑張ってきました。
ずっと肩に力が入っている状態でした。そりゃ慢性的な肩こりにもなります。
しかし、フィトセラピー講座での体験は、これとは逆。
良い意味で、心身が「ゆるむ」のです。
このゆるみが、仕事もプライベートも頑張っていた私が求めているものだったんですね。
植物療法の良さに気付いた私は、日本フィトセラピー協会が主催する7講座を全て受けることにしました。
フィトセラピー講座の内容
フィトセラピーの7つの講座を受講し、試験に合格すると「フィトセラピスト(植物療法士)」の民間資格が得られます。
7つの講座のうち、基本の3つの講座を受講すると、「フィトセラピーアドバイザー」の認定証がもらえます。
私は7講座全て受講しましたが、試験は受けなかったのでフィトセラピーアドバイザーということになります。
各講座は
- フィトセラピーベーシック講座
- ハーブティーやソムリエ認定講座
- アロマリエ認定講座

ここまで受けるとフィトセラピーアドバイザー
- フィトストレスケア講座(自律神経系)
- フィトボディケア講座(ホルモン系)
- フィトヘルスケア講座(免疫系)
- フィトビューティーケア講座

上の3つの講座+下の4つも受講して試験に合格するとフィトセラピスト
に分かれます。
具体的にどんなことをしたかというと、午前中に座学で植物療法の効能や、1つ1つのハーブ・精油について学び、午後に実習をする、という流れでした。
実習で行ったことは、
- 1つ1つのハーブティーの試飲
- 目的別のブレンドハーブティー作り
- ハーブの蒸気吸入
- ティンクチャー(チンキ)作り
- 手浴
- 足浴
- アロマオイル作り
- アロマバスソルト作り
- アロマスプレー作り
- 精油の蒸気吸入
- バーム、チェストラブ、クレイパック、化粧水、クリーム、シャンプーなどのクラフト
などなど多岐にわたります。
実習で作ったものは持ち帰ることができ、それを使って自宅でセルフケアができます。
自分で作ったセルフケアグッズを持ち帰り、家でも使うのは本当に楽しかったですね。
家でも、スプレーや化粧水など、講座のテキストを参考にいろいろ手作りしました。
植物療法が癒しであり、良い趣味になりました。
講座の帰りには、生活の木、エンハーブ、ニールズヤードレメディーズなどのハーブ、アロマショップに行き、講座で使って気になったドライハーブや精油を買い集め、どんどん種類が増えていきました。
こうして、私は植物療法にどっぷりはまっていきました。
効果
私はフィトセラピーの講座に、約1ヶ月に1回のペースで通っていました。
トータルで約半年間、講座に通っていたことになります。
講座と講座の間と、通い終わってから現在まで、できるセルフケアは続けてきました。
精油の濃度など注意しなければいけないことはありますが、使い方を守れば薬のような副作用などもなく安全です。
時間をかけて、でもはっきりと、良い変化を感じ取りました。
植物療法の癒しの力は素晴らしく、私は以下のような効果が現れました。
ゆるむのが上手になった
前述の通り、私はもともと真面目な性格で、いつも緊張して肩に力が入っていました。
家にいても、家事をしたり本を読んだり調べ物をしたり、常に意味のあることをして動いていなければ落ち着かなかったのです。
それが、ハーブティーを飲んだり精油の香りを嗅いだりすることで自然と緊張が解け、以前よりリラックスして過ごせるようになりました。
ただなんとなく、ぼーっとすることができるようになったのです。
これは私にとって画期的な変化でした。
今まで、「ぼーっと休もう。」とか、「リラックスして過ごそう。」などと言われても、どうしたらいいかわからなかったのです。それが自然と理解できました。
ずっと緊張しているのは辛いものです。
疲れもすぐに溜まってしまいます。
しかし、植物療法を用いてどんどんゆるむのが上手になっていった私は、職場でもプライベートでも、以前より肩ひじ張ることなく楽に過ごせるようになっていきました。
自分に余裕が出てきた分、以前より人にもおおらかに接することができるようになりました。
ゆるむことで身体の中の滞っていたものが流れ出し、私の心身に次々に良い影響が出てきたように思います。
私にとって1番大事な、大きな大きな変化でした。
体調を崩すことが減った
以前の私は年に何回も風邪を引いていました。
それが、植物療法を始めてから、風邪を引く頻度が減り、たとえ体調を崩しても軽く済むようになりました。
喉に違和感があるな、と思ったらタイム&セージのティンクチャーでうがいをする、何となくだるいな、と思ったらエキナセア&ローズヒップのハーブティーを飲むなど、自分の体調に合わせてセルフケアができるようになったからでしょう。
こじらせる前に、自分で適切な手当ができるようになったのです。
夫がコロナに罹った時も、私にはうつりませんでした(植物療法を始める前はコロナに罹ったことがありました)。
ずっと悩んできた花粉症も、少しずつ軽症になっていき楽になりました。
小学校2年生からの重度の花粉症もちとしては嬉しい変化でしたね。
自己肯定感が高まった
植物療法の力で適切にセルフケアができるようになってくると、自分で自分の体調をコントロールできることで自信が生まれました。
何だか魔女にでもなった気分で、セルフケアを楽しんでいました。笑
自分のためにグッズを作ってセルフケアをしていると、自分を慈しむ気持ちが湧いてきます。
肩こり対策用のアロマオイルを塗りながら、「いつも頑張っていてえらいね。」と、自然と自分で自分をいたわることができるようになりました。
これらは、「どうにか治さなきゃいけないだめな身体」という自分への思い込みを捨て去り、「そのままの自分で十分素敵」という価値観を与えてくれました。
ゆるみ、体調をコントロールする方法を身に付け、心身がだんだんとご機嫌になっていき、自己肯定感も高まっていったのですね。
講座の回数を重ねるごとに、この感覚は高まっていきました。
周りの環境はあまり変わっていませんでしたが、何だか、以前よりも自由で、自分は大丈夫だ、と思うようになりました。
まとめ
植物療法は心身に様々な良い変化をもたらしてくれます。
アレルギー、婦人科系疾患、頭痛、肩こり、不眠など、本当にたくさんの症状が良くなったという話を聞きます。
私も、心身がゆるんで健康体になるだけでなく、講座に通っている時期に婦人科に通って、止まっていた生理を復活させ、講座が終了した後すぐに体外授精をして妊娠できました。
以前6cm以上あったチョコレート嚢胞は2cm以下になり、腹痛などの症状は全くなくなっていました。
植物療法に出会ってセルフケアを続けたことが、子宮内膜症の症状緩和や妊娠につながったと思っています。
植物療法には、全てのセルフケアを実施しなければいけないという決まりはなく、ハーブティーを1日1杯飲むとか、寝る前に好きな精油の香りを嗅ぐとか、自分にできることをマイペースに取り入れればいいと思います。「セルフケアをしなければ・・・!」と頑張る必要はありません。
ぜひ、植物療法をストレスの多い現代社会で頑張っている方々に取り入れてもらいたいな、と思います。

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