子宮内膜症の治療で薬物療法を受け、それと並行して食事の改善にも取り組んだ私は、ネットの情報だけでなく書籍も参考にしていました。チョコレート嚢胞は今までの生活習慣の乱れが卵巣に出たもの、とのいう考え方もあり、子宮内膜症の症状を少しでも軽減したい方には、食事の改善は重要となるでしょう。
食事療法で大いに参考になった書籍の1つに、神尾哲男さんの「がんで余命ゼロと言われた私の死なない食事」があります。
この本の中に書いてある調味料についての情報はとても有益で、今でもまがいものではない本物の調味料を使うことはとても大事にしています。
どんなに良い材料を使っていても、使用頻度の高い調味料が人工的に作られたものばかりでは、身体の中は浄化されません。
食事療法を始めて数か月、以前より健康的な食生活になっていた私は、調味料を変えることにも着手しました。
以下に、神尾さんの書籍を基に調味料のポイントを書いていきます。
塩
塩は老廃物の排出作用、熱中症の予防、消化活動のサポートなど、人の生命維持に欠かせません。
しかし、市場には安価な「塩化ナトリウムの塩」が出回っており、これは科学的な方法で作られた工業製品で、身体にとっては不要です。
では何を摂ればいいかというと、「海水塩」や「岩塩」などの天然塩です。
私も調理に海水からできた天然塩を取り入れたところ、まろやかできつさがなく、野菜などの素材の美味しさが際立つようになりました。
醤油
伝統的な製法の醤油の原材料は、大豆、小麦、塩、麹、水です(麹と水の記載は原材料表示からは除かれます)。
伝統的な方法で醤油を作ると、手間も時間も費用もかかるため、企業は安価で大量に流通させるために、「脱脂加工大豆」というものを使います。本来醤油は天然発酵・熟成させて作るものですが、この工程を飛ばして、薬品を用いて醤油を作るそうです。
醤油を選ぶ際には原材料に「脱脂加工大豆」と記載されている物は買わず、伝統的な製法で作られた物を買うようにしました。
伝統的な製法で作られた醤油は風味が良く、煮物もはっきりと味の違いがわかるぐらい美味しくなりました。
味噌
天然醸造の味噌には強力な抗酸化作用があり、体内細胞を痛めて病気を引き起こすもとである活性酸素を除去してくれるそうです。
味噌を選ぶ際には、酵母が生きていることを示す「生味噌」と表示のあるものを選ぶようにしました。
60℃以上では味噌の中の酵母菌が死んでしまうので、味噌汁を作る際には具を煮てお湯が冷めてから味噌を入れるようにしました。
生味噌で作ったお味噌汁はそれはそれは美味しく、健康にもなると思うと嬉しいものでした。
油
脂質は人間のエネルギー源となる、脳の組織成分の半分を占める、ホルモンの材料になる、細胞膜の材料になるなど多様な働きがあり、人間の身体に不可欠なものです。
しかし、酸化した油を摂ることは、心筋梗塞やがんなど、いろいろな病気のもとになりますので、気を付けなくてはいけません。
基本的に、意識して油を摂ろうとしなくていいのだと思います。
神尾さんは、抗酸化作用が強いオリーブオイルやこめ油を勧めています。
オリーブオイルは熱を加えても酸化しにくいところも良い面です。選ぶときには、化学薬品の使用や加熱処理を一切行わず、物理的な圧力だけをかけて絞った「エクストラバージンオリーブオイル」を買うことがポイントです。
私も、化学薬品を使わず物理的な圧力をかけて絞ったエクストラバージンオリーブオイル、こめ油、ごま油を普段使用しています。
良質な油をサラダや炒め物などに用いると、びっくりするほど風味が良くて料理が美味しくなりました。
砂糖
上白糖、グラニュー糖、三温糖などの精製された砂糖は強力な毒です。その理由は以下の通りです。
①血糖値を急激に上昇させ、血管障害や糖尿病など、いろいろな病気のもととなる。
②体内で砂糖が分解されるときに、骨、歯、筋肉などにあるカルシウムが失われてしまう。
③砂糖は酸性食品。弱アルカリ性で健康を保っている人間は、酸性に傾くと病気になる。
④ガン細胞は高糖質が大好き。砂糖はガンの餌になる。
⑤南国で摂れるサトウキビを原料としているので、砂糖は身体を冷やす。
⑥砂糖はサトウキビから精製する際、大量の化学薬品を使う。同時に、サトウキビがもともと持っていたビタミン、ミネラル、その他の栄養素は消滅してしまう。
精製された砂糖の恐ろしさは計り知れませんが、今まで甘いものを頻繁に口にしてきた人にとっては、何か代替案が欲しいもの。そこで神尾さんは、ミネラルを豊富に含むメープルシロップをお勧めしています。
他にはてんさい糖やらかんかなどの精製されていない糖類も。
私は市販のお菓子を食べるのをやめ、甘いものが欲しいなと思ったときには、たまに家で飲むカフェインレスコーヒーにてんさい糖を入れたり、オートミールに豆乳やメープルシロップをかけて摂取したりすることにしています。また、私は果物、ドライフルーツ、干し芋やむき栗などを甘いものの代わりに食べることもあります。
今ではコンビニやスーパーで売っているような市販のお菓子は欲しいと思わなくなりましたし、たまに人付き合いでチェーン店のスイーツを食べても、以前より美味しいと思わなくなりました。
どうしても甘いものが食べたいときにメープルシロップやてんさい糖などの自然に近い甘味料を使用する以外は、砂糖は摂らないと考えるのがいいのでしょう。
みりん
みりんの原材料はもち米、麹、焼酎の3つです。これらを合わせて最低1年以上発酵熟成させたものが「本みりん」です。アルコール度数が高く、酒店の扱いになるそうです。
本みりんは料理にコク、旨味、照り、適度な甘さを与えてくれます。なので煮物などは、砂糖の代わりに本みりんを使うといいそうです。
市販のみりんは、工業用の醸造用アルコールを使っている物が多く、これらには食品添加物がたくさん含まれています。このような「みりん風調味料」でも、「本みりん」と記載している商品もありますので、選ぶときは原材料を確認するのがいいでしょう。
本みりんを用いて煮物を作ると、確かに砂糖を入れなくてもほんのりと甘く、コクのある美味しい料理に仕上がるな、と思いました。
酢
酢は疲れた身体の回復に努めてくれたり、強い殺菌力と保存力で魚介類の生臭さを消してくれたりします。更に、血糖値の上昇を緩やかにする、高血圧の低下に効果がある、内臓脂肪に働きかけ肥満予防効果がある、炎症やアレルギーを抑制するなど、健康を目指す上で多大な効果があります。
購入する際には、原料が単一(米、りんごなど)で、原材料表記にアルコールや添加物の記載がないものを選ぶようにしましょう。日本のものなら「純玄米酢」のように、「純」の文字が入っていることも1つの目安です。
天然醸造の酢は、酢の物にしても炒め物の隠し味として使っても、とても風味豊かに料理が仕上がり、それまであまり料理に酢を多用してこなかった私でも日常的に使うようになりました。
まとめ
子宮内膜症を克服したくて食事を変え、調味料も厳選するようになり、その習慣は長い間続けています。長期的に見ればチョコレート嚢胞は小さくなり、全体的な健康度は上がりました。
そして、調味料を変えたことで家で作る料理が格段に美味しくなり、お菓子や揚げ物などを食べなくても満足できるようになりました。
この試みは人生の幸福度を上げ、実践して良かったなと思っています。
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